まあ、そんなことよりも、だ


「耀太、朱莉を車まで運んで」


空気を張り詰めさせ、緊張感を漂わせておく

ここは、敵のアジト、かもしれない


「誰かが戻ってけるまでには、ここを…」

出よう、と言おうとした瞬間だった


カチャッ

なにかの音を聞いた


「誰だ?!」


耀太が声をはりあげる


あたしは注意深くあたりに耳をすませ、誰か近くにいるのかと気配をたどる








だが、何も起こらない