あたしの腰あたりを締め付けて顔を押し付けてくる朱莉は、少し震えていた


埃っぽい床に押し倒されている状態から、上半身を上げ、座る


顔を上げない朱莉の頭をそっと撫でる


さらさらと触れる髪の毛をゆっくりゆっくり撫でる


見たところ、どうこうされたような感じはない


服はきちんと着ているし、怪我もしていない


一先ずは安心した


だが、朱莉を攫ってきたやつがいないからまだ安心はできない

一旦ここを離れよう

頭を撫でたまま

「朱莉?とりあえず帰ろう?」

と尋ねた