「先輩、ここのドア

内側に鍵がないんです」


「ええ?!」


「外に鍵って…」


朱莉にそう言われ、慌ててあたりを見渡す


ウィッグを置いた机の上、埃塗れの床、更には割れた窓ガラスの外まで見てみたが、どこにもそれらしきものはない

鍵どころか、机以外何もない


「先ぱーい、…
ないですか?」

「な、ない」


「私、出れないんですか?」


「いや、一つ手がある」