「どうしよう、どうしよう」


最悪の状況が頭に過ぎる


…そんなの、絶対に許せない


どうしよう、しかでてこなくなった頭


フツフツと思い浮かぶ嫌な予感に、なんとも言えないほどの感情が溢れ出してきた時に


「蓮香!」

先程からあった手の中の温もりが、あたしを引っ張った


「落ち着け」


低く、ゆっくりと言うその声は、あたしが気づかなかっただけで、すぐ目の前にいた

「でも、」


あたしがそう言いかけた時

「居場所はわかった」


目と目を合わせ、大丈夫だ、と言ってくれているような声に、やっと手の力が少しだけ抜けた