「ありがとう」


そう言ってあたしはバイクから下りる



爽の運転は上手く、とても速かったがあたしにはちょうど良かった



爽の運転が速かったからか、他の皆よりもあたしたちは早く学校に着いた


だからまだ皆は走っている途中だ




どこからか爽ではないバイクの音がして、そろそろ来るなと思った頃…





「ぎぃやぁぁぁぁあ!!」


凄い叫び声が聞こえてきた



その声はバイクの騒音に負けず劣らず、あたしの耳にしっかりと届いた



それはだんだん近づいてくる









そしてその声はあたしと爽の目の前で、バイクが止まるとともに止まった




だって…



その叫び声の主は蓮妬だったから



翔の後ろから降りた蓮妬はかなりゲッソリしていた



瞳を潤ませながら



「絶対にこれからは翔の後ろは乗らない」



と、叫びすぎた所為か、かすれた声で言っていた