黒瀬 莉子side
「・・・せさん、ろせさん・・・。黒瀬さん!!」
「はっはい~!!」
しまった!知らんうちに寝てしまった!!ヤバイ!
「前の問題を解いてきてくれるかしら?」
う゛っ・・・、最悪。なんであたしなのさ~!!バレてないかと思ってた・・・。
てか、これ難しいし!どうしよう。できるかな?
「黒瀬さん?これくらい、できて当然よ?」
くっ・・・悔しい~~!!なんで、クラスにまで、そんなこと言われなきゃなんないの
さっ!絶対に解いてやる!!見てろ、クソババァ!あたしを、ナメないでよ!!
「できました」
「え、1分も経ってないのに・・・。まぁ、いいわ。答えあわせをしましょうか」
先生は、あたしがこの問題を解けていない、と思ってたのか、ニヤッと不気味に笑い、
黒板まで歩いてくる。絶対合ってるはず!!・・・だもん。
でも、間違ってたらどうしよう。
「えっと、答えは間違ってま・・せん」
「よかっ・・・」
「「ええぇぇええ~~!!??」」
言葉を遮られてしまった。
が、ちゃんと解けてた!嬉しい~!!クラスのみんなも驚いてる!!最高!
あっ、そういえばあたしの紹介、まだだったよね。
あたしは、黒瀬学園の1年生。今年、入学したの。
ぶ厚い眼鏡をかけ、髪の毛は耳の後ろで左右に三つ編みにして、スカートはひざ丈くら
い。そう、結構な地味子なのです。
これは、親からの言いつけで、こんな格好をしている。
黒瀬学園は、あたしの親が学園長をしている高等学校みたいなもの。
なんだけど、あたしがこの財閥の娘と知っている者は、数えられるくらいしかいない。
それに、お嬢様なんて認識は、まったくない。
それに、普通の女の子として育てられたから、親の力を借りて、
物事に勝ったりしたことはない。
「莉子~。さっきは最悪だったね。でも、うちは莉子の頭の良さを見せつけられて、
すっごい嬉しい!」
「いや、嬉しくないんだけどね。それに、あたしが頭良いなんて、絶対ない!」
あたしが頭良いわけ、ないでしょ!?何言ってんの!!
桜さん、あなた頭大丈夫?ちょっと、おかしくなってない?
あ、紹介遅れてしまいました。さっき、話しかけてきたのは、鈴木 桜。
あたしの小さいころからの、唯一の親友。
目はクリクリでカワイくて、唇もキレイなピンク色、ブラウンのストレートヘアで、
とても、顔立ちが整っていて、イヤミ~!!ってくらいの美少女!!
学園内にファンクラブまであり、毎日告白をされているの。
「莉子さぁ~、いい加減、その地味子やめたら?」
「ん~・・・、やめたいのはあるけど、お父さん達がダメってうるさいんだもん」