呼び出したのは、大地だった。本家が俺を呼ぶなんて珍しいと思ったんだ。

無理言って別に部屋を借りて本家には帰っていない。
親父は反対するどころか賛成した。

賛成した理由なら聞かなくてもわかる。

祥太は走っていた。
自分の家に一番逢いたくて抱き締めたい人が待っている。

今すぐ逢わないと…。

シノに逢わないと俺、おかしくなっちゃうよ。

ドアを思いっきり開けて篠原をこれでもかと言うぐらいに抱き締めた。