「何だ?あれ」

震え続ける携帯を無視して、確実にこちらに向かってくる群れに目を細める。

松橋の視線の向こうを忍と祥太も目を向ける。

「お客さまだね」

「篠原って奴は、どいつだァ?」

めんどくさそうに腰を上げて、叫ぶ男の前に祥太達は立ち止まる。

「先輩なら不在っすよ」

「うちの者が世話になったんでなァ。
お前ら、篠原の仲間か?」

「あんたらに答える必要ねぇと思うけど?」