篠原のバイトに一番、反対してたのは祥太だったな。

あん時の祥太は怒っていた、普段冷静なのに。

次の日、ケロッとした顔でバイトに行くことに賛成していた。どう説得したんだ?と聞いても篠原は笑っただけで答えなかった。

「あ?」

携帯が震えているのに気付き着信相手を見遣る。

「何ですか何ですかー?
茉莉ちゃんはラブラブのワンコちゃんから電話ですかー?」

うぜぇ…。
これ以上ないくらいに、やさぐれてやがる。

「祥太さん、先輩はあと2時間で終わりっすから」