「その髪型似合い過ぎだな」

声のある方に半目で見遣る。
先程まで話題になっていた男の姿に唇の端を歪ました。

「祥太は器用だからな」

忍海で恐れられている男が、こんな髪型でいいのか。

篠原は、煙草を手に取り火を点け煙を吐き出した。

「お前、名前あんのか?」

「あ?」

どうして、こいつらは主語とか大事な物が抜けているんだ。

最初、何をいっているのかさっぱりだったが昨夜の事を思い出して眉間に皺を寄せた。