忍を見ると瞳を潤ませて、犬に見えて仕方がない。

「忍ちゃんにデートの誘ったんだけど逃げられてさぁ」

ソファーに回り込み忍を見つけ腰に手を回す。

「離してくださいよ!
俺、何かしたっすか!?」

体を捩らせて抜け出そうとするが男の俺からしても腕の力が及ばない。

「はいはーい。
草ちゃん、一回、うちの忍から離れてくんない?」

祥太の言葉に素直に腰から手が離れ忍は、すぐさまに祥太の後ろに隠れた。