さっきから片付けも手伝わずに溜まり場のフェンスを越えた道路を見渡している。

一瞬、目つきが変わるシノに片付けを止めて見ている方に視線をゆっくりと流す。

確実に俺らの生徒ではない奴等が、フェンス越しから離れた場所で俺達を見ている。

「動物園から逃げてきたのかな?」

「餌が欲しいんじゃねぇか?」

「バーベキューの匂いにつられてきたんっすね」

「バーベキューいいっすね」

明らかに違う声音に一斉に振り向く。