駄目だっ!

ここで流されたらっ!というか私の意思は?


「ちょっ、ちょっと待って……」


「菜緒、幸せにするからね。」


密かにニヤッと笑って、私を抱きしめる。


「2年間、俺の許す範囲で自由にさせてやったろ? 」


耳元で甘く囁く…。


「いゃ…、悟さんにはもっと相応しい方がいるんじゃ…。」


頑張って足掻いてみた。

「私達は家柄とかにこだわっていないからね。菜緒ちゃんなら大賛成よ。」


おば様、違うんですっ、私が嫌なんです!

こんな女たらしで性格破綻者の嫁なんて…嫌──!


ここで私が何も言わない、言えないって事を解っててこの状況を作ったに違いない。