皐月が離れると、
あたしの顔は自分でも分かるくらい熱を帯びていた。


「もぉっ!
さっちゃんの変態ッ!からかわないでよ」



「だって千菜の反応が可愛いんだもん」



そう言ってあたしの頬に手を置く皐月は笑った。



皐月が来てからというもの
一向に作業が進んでいない。



早くしなきゃ……!




「先に帰っていいよ。
まだ時間かかりそうだから」



にこりと皐月に笑いかけ、
作業に集中しようとすると皐月が話し出した。



「…あのさ、“りっちゃん”だっけ?飾り付け係って」



「え?うん、そうだよ?」



「……その子って本当に用事なの?」




……え?


どういう意味?



皐月の言いたいことが分からなくて、あたしはただ首を傾げた。