ねぇ、さっちゃん？
あたし……どうするべき？
ピッとボタンを押して
携帯を耳に当てた。
「あ、千菜？
皐月だけど、今どこ？」
あたしを安心させる穏やかな声。
あたしは自然と涙が溢れた。
「……さっちゃん」
「だからあー“皐月”だって……千菜、泣いてる？」
不安そうに聞いてくる皐月に
あたしはハッとして
涙を拭う。
「泣いてないよー！
さっちゃんからの電話が嬉しかったの」
「…あーのーなー///
で？今どこ？そっちまで行くけど」
「今はー資料室だよ」
「は？なんで資料室!?
またパシられたか」
「違うー」
“また”ってなによ！
「わかった。
今から行くから待ってて。
早く一緒に回りたいし」
そう言って
「またな」と、皐月は電話を切った。
