考えとくとか言って

なにも考えていない。



要するに、りっちゃんは
あたしと皐月を
別れさせたいの?


それとも、
ただ皐月と仲良くなりたいだけとか……いや、それはないか……




「だって、好きなんだもんね…」




あたしと同じくらい。
りっちゃんは皐月を想ってる。



『私の方が千菜より藤堂くんが好き』



莉奈の言葉が急に脳内を
駆け巡った。



あたしより、りっちゃんの方が皐月を好きなの?


じゃあ、あたしって
りっちゃんに皐月を譲るべきじゃないの?



皐月を想う気持ちが弱いあたしじゃ、皐月を悲しませない?



プルルルルルッ――。



ビクッ!


急にポケットから鳴り響く携帯の着信音に体がまた震えた。



パカッと携帯を開くと、
今さっきまで
話題になっていた人の名前が写し出されていた。




――――藤堂皐月。



あたしの大好きな人。