――こんなこと言いたかったわけじゃないのに… でも、私の口は彼に全く関係の無いことを八つ当たりしてしまった。 「美雪の目を見て何とも思わないか…だって? 思うに決まってるだろ?」 「そうですよね…分かってました。 失礼します。」 私は護身術の応用で彼の手を振り解くと、今度は全速力で駆け出した。 片目だけに全速力をすることは避けていたけど…そんなこと構っていられなかった。 私には余裕がなかった。