「鬱陶しい、煩わしいって思ってるのは全部自分が傷つきたくないための虚言よ。」




ドクン…




「あなたが山田さんに心を読まれたと思った時、嫌だと感じたのは自分の心を知られるのが怖いから。」




ドクン…



怖い……




「大丈夫。慌てず、逃げずに、きちんと話し合ってみなさい。山田さんはきっと美雪を理解してくれる素敵な人よ。」




お母さんはそう言って私に今までにないくらいの優しい笑みを向けるのだった。