そう言いながら、私の頬に優しく触れた。 その時初めて自分が涙を流していたのだと気づいた。 「久しぶりね…美雪が泣いて帰って来るなんて。」 お母さんはそんな感想を漏らした。 「…そう……だっけ…?」 「そうよ。中学生になるとピタリと泣いて帰って来なくなったわ。」