雨が屋上のコンクリートを打っていた。


僕は初めて見る学校の屋上を見渡しながら、一歩、また一歩と歩を進める。



こっちがグランド側か…。


ニヤリと不気味な笑みがこぼれた。


真下はアスファルト。


死ぬ確率は9割を越えるだろう。


嗚呼、この世界ともおさらばだ。


低レベルな人間共は、僕のグロテスクな遺体を見て叫ぶのだろう。


頭が割れ、脳がはみ出れば良いのになぁ。


目も飛び出していれば尚良い。


それを、あいつらに見せ付けてやるのだ。


こんなに楽しいことは無い。


食事も喉を通らせない。


吐き気で襲ってやる。



…え?


何故、僕が雨の日の金曜日を選んだのか?


いいだろう、君だけに教えてあげよう。


誰にも言わないと約束出来るか?


…いや、人間なんて信じられない。


僕の独り言として聞いてくれ。


僕は誰にも話していないし、君も僕から訊いてはいない。