第二部が始まり、心の出番が後二番となった頃、心は本番の準備をし始めた。


そこへ、実がやってきて心に話しかけた。


「もうすぐだな。頑張れよ」


本心なのか、皮肉なのかは分からないが、表情は己の勝利を確信しているようだ。


心は例の手紙のことを思い出した。


胸の内ポケットから取り出し、実の前に突きつけた。


「これ、なんであんたが持ってたの?」


「あぁ、それか」


さして驚く様子もなく、実は鼻で笑った。


「もうすぐ分かるさ。・・・俺が勝気な理由もな」


「えっ?」


「なんせ、俺にはあの御方がついてる」


意味深な言葉を残し、実は去っていった。