「どうすんだよ!」


中間休みに、五人は体育館裏で作戦会議を開いた。


実の演技を見せつけられ、誰もが動揺を隠せない。


愁は苛立ちを露に、辺りを右往左往した。


「落ち着いてください。内容は今から変更するわけにもいきません」


友哉はズレた黒縁眼鏡を上げた。


「勝てる可能性は低いよね」


優が憂い顔で膝を抱え込んだ。


「そりゃぁ、俺らがちょっとお願いすれば投票は集められるけどよ・・・それじゃ、意味ねぇだろ」


大きな溜息を吐くと、愁は片膝を立てて座った。


「仕方ありません。鏡夜くんに全力で頑張っていただくしか・・・」


「うん。俺なら大丈夫」


「期待してますよ」


「鏡夜くん、ガンバ!」


「根性見せろよ!!」


四人のじゃれ合いを、麗はじっと見つめていた。





まるで獲物を捕らえるかのように・・・