そこまで話すと麗は大きく肺に息を吸い込み、吐き出した。





「・・・でも、お前は変われただろ?」





いや、成長しただろ?





麗より僅かに低い声が言った。


麗が右側に頭を傾けると、愁と瞳が交差した。


真っ直ぐ捉えたお互いに瞳。


あぁ、愁の眼は綺麗だな、麗はそう思った。


「でも・・・彼方が」


「お前な!」


愁は勢いよく上半身を起こすと、麗の上に馬乗りになった。


バチン!


「痛っ!」


激痛が走った額を麗が押さえた。


デコピンは思いのほかクリーンヒットしたらしい。


「何すんの・・・」


「起こっちまったんだからしょうがねぇだろ!?俺と彼方が逆だったら、今のお前にムカツクぜ!」


そこで麗はずっと聞きたかったことを思い出した。


「今更だけど、何で彼方と入れ替わったの?」


「あれは・・・」


自分の上から降りずに説明し出そうとするので、麗は降りるように手で合図した。