赤いランプを回しながら、白い車が到着した。


高く積み上げられたマットと枝による衝撃軽減、それに加え咄嗟にとった彼方の受身が功となり、命に別状はないらしい。


ただ、骨が何本か折れている。


救急隊の人がそう言った。


代表として友哉が、教師と共に一緒に乗り込んだ。


三人はタクシーを捕まえ病院へ向かった。





全治二ヶ月。


そう医者から言い渡されたのは、病院に着いてから二時間後だった。


もちろん入院。


誰の計らいか、彼方には一人部屋が用意された。


全身打撲、六ヶ所の骨折。


その事実に打ちのめされたのは、やはり麗だった。





ごめん・・・彼方





謝っても謝りきれない。


自分の軽率な行動を恨んだ。


でも、いくら自分を責めても何一つ事実は変わらない。


そして仮に償いとして自殺なんかしたら、彼方があの世まで追いかけてきそうだ。





絶対にそんな馬鹿な真似はしない。





膝の上で組んでいた手を解くと、麗は診察室の前に置いてある長椅子から腰を上げた。