麗はフェンスの淵を、普段歩くスピードと変わらないスピードで歩いた。


生徒・教師は、固唾を呑み様子を見守っている。


中央と思われる位置まで来ると、麗は思いっきり息を吸い込んだ。


そして,それは麗しき声となり吐き出された。





「俺もみんなが大好き!!」





・・・この瞬間、麗は華を咲かすための蕾をまた一つ大きくさせた





校庭には勿論B.Bの姿が。


麗の様子を見た彼方は一安心すると周りを見渡した。


自殺するわけではなさそうな麗に、皆が息をついている。


しかし、すぐ異変に気づいた。





愁がいない





さっきまで四人一緒に居たのに。


彼方は嫌な予感がしてならなかった。