“じゃあさ、神崎麗のことは?”


“麗くんはねー、結構ガード堅いから裏話はあんまないよ?”


“眼が青いことは知ってる?”


“何それ!?”


知らなかったのか。


亜美が手に入れていない情報をもっていたことに、心は多少の優越感を感じた。


“昨日、たまたまカラコンが外れたんだよね”


“へぇー”


“これは記事にしちゃダメだよ!?本人嫌がってるみたいだし”


ここで授業が終わった。


亜美からの返事は来なかったが、ちゃんと分かっているだろう。


亜美は人が嫌がる記事は書かない。





だが、この紙切れ1枚が後に麗自身を変えることになろうとは…





この時は誰も知らなかった