隣同士に座っていた二人は拳を合わせた。


「2人とも、今日から頼むよ。それと麗、アレ手に入ったよ」


「Thank you」


彼方は麗に大きな紙袋を渡した。


「じゃ、今日はここまで!解散」


優は「今日は用があるから」と、真っ先に出て行った。


「あのぉ…」


心が遠慮がちに彼方に話しかけた。


「何?」


「昨日、優くんに喋り方をなんとかしろって言われたんだけど…」


「あぁ!それは私の担当ですよ」


友哉が、優の飲んでいたマグカップを片付けながら言う。


「そう。だから今は気にしなくていいよ」


彼方はポンッと心の肩を叩くと部屋から出て行った。


「私も失礼します」


礼儀よくお辞儀をした友哉も姿を消した。