心もまた、亜美に心を許していた。


出会いは高校に入ってからであるものの、絆の深さは親友と呼べるまでになっていた。


「亜美は、私が男になったら嫌?」


亜美は少し考える素振りを見せたが、すぐに八重歯を見せて笑った。


「んなわけないじゃん!心は心だしー」


そんな亜美に安心した心だが、本当は心の奥底で不安が渦巻いていた。


今はこのように言っているが、果たして実際に変わり終えたとき、亜美は自分を受け入れてくれるのだろうか…


彼方に初めて会ったときは、大見得を切ったが、後々になって不安になってきた。


「心…私、心が決めたんならそれでいいよ。アイツのためだと思うと気にくわないけど」


「ありがとう…」





ざわついている教室にチャイムが鳴り響いた。