「ありがとう…」


心は満足げに髪を触った。


「でも、よかった~」


優が、心の顔についた髪をブラシで落としながら言う。


「鏡夜くんって女顔の男って感じしてるから、髪型変えただけで全然男に見えるよ!」


褒められているのか、けなされているの
か…


だが、男を目指している身なので、心は前者としてとらえた。


「定期的に髪の毛整えるからね。ワックスのつけ方は教えるから、自分でよろしく。あと、鏡夜くんがいいならカラーも入れたいんだけど」


優の言葉を聞いて、心の頭に疑問が浮上した。


「うちの学校ってカラーリング禁止だよね?」


何を隠そう、水学は私立。


いろいろと校則が厳しいのだ。