シャンプー台で髪を洗うと、そのままカット台へ心を導いた。


心の頭に巻かれているタオルを外すと、長い髪が姿を現す。


腰ぐらいまであるストレートロング。


優は何のためらいもなく、ハサミを通していく。


「ねぇ、酒井くん」


「優でいいよ」


「えっと…優と塔上くんはどんな関係?」


優は心の髪にすきバサミを入れながら答えた。


「ん~、普通に友達?でも僕は彼方くんを尊敬してるよ!」


その瞳は冬にサンタクロースを見た子供のように輝いていた。