それまで立ったままだった彼方も、ソファに腰を下ろした。


「よろしくお願いします」


再び深々と、心は頭を下げた。


「まぁ、人はそれぞれ事情があるからあまり深くは聞かないけど、女から男になると周りの目がどう変わるか分からない。いろいろ困難が立ちはだかると思うけど…」


「周りの目は気にしない!何だってやってみせる」


心は彼方の言葉を遮り、決意に満ちた目で彼方を見据えた。


彼方は他のメンバーを見渡し、意味あり気に頷くと、口元を緩め心に微笑みかけた。


「今言ったことは気にしなくていいよ。ただ君の決意がどれほどか見たかっただけだし。むしろ、どんなことがあっても大丈夫なように仕上げるしね」


彼方の言葉に心は安堵の色を浮かべた。


「それじゃ、始めようか!」


かくして、本格的に【鏡夜 心】を改造するプロジェクトが始まった。