「…」

「私トイレ行ってきます。」

「おう。」






裕太ごめんね

裕太との約束守れなくてごめんね

ずーっと隣にいるって約束したのにごめんね

死んだって嘘ついてごめんね

裕太のパパ取っちゃってごめんね

私今でも裕太のことが大好きだから緊張して冷たい態度とっちゃった。



中3の夏パパが裕太と電話で喋ってるの聞いちゃったんだよね。

『裕太はどこの大学行くか決まったのか?』
パパが一方的に話しかけてるのを必要なとこだけ裕太が答える
パパ、裕太と話してるときママにも見せないような笑顔してた。

これが本当のパパ。違う。裕太のお父さんなんだって分かった。

パパが私の家に来たのは小6のとき。にっこりして
『沙希ちゃん。はじめまして。』笑顔でパパは言った。

裕太のパパだってこと私は知らないことになっている。

でも初めて会った時のパパの笑顔私1回見たことあるんだよ。

裕太の家に遊びに行ったときにパパが裕太の家を出ていく瞬間。

裕太のお母さんに笑顔で行ってきます。って言ってた笑顔。

裕太はパパの笑顔を見て
『俺のおやじかっこいいだろ。俺、おやじみたいになって沙希を幸せにする。』
そのときの裕太輝いてたな。