「ね、蘭」



「ん、なに」



「病気、大丈夫なの?」



あれから、2人でご飯作って、お風呂入って、自由にして、そして今。



狭いベッドで寝転がりながら話しているの。



わたしは、美穂がまさかここで言うとは思わなかったから、きょとんとしている。



「後さ、どれくらいなの」



「分からない」



美穂に病気のこと聞かれるといつもこの返事。



だって、言っても治らない。



言って、相手が哀しんだら嫌だから。



それなら言わない方が得する。



わたしは、美穂の方を向く。



「誰にも言わない」



わたしは、作り笑いバレバレの笑顔を美穂に向けた。



今、



暗くて良かったな。