『「蘭。迎えに来た」



そう言って、手を差し延べる王子様。



黒髪にコハク色の瞳。



そして、スタイル抜群な体型に白いタキシードを着ている。



わたしが手をそっとのせると同時にふは、って笑う王子様。



名前も知らない。



家も知らない。



年齢も知らない。



彼が本当に王子様なのかも知らない。



けれど、



本当に王子様なんだってなんの証拠も無いけれどそんな気がしたの。



わたしは、名の分からない王子様につられて、笑う。



そして、二人は愛を確かめ合って、結婚しました。』