「わ、分かった。ちゃんとやるから。何をすれば良いかまだ良くわかないけど、とりあえずオレをもとの現代に返してくれよ。」

渉はもうここから離れたい一心でついに口に出してしまった。

「分かりました。では過去、つまり渉さんの現代に戻ったら私がちゃんとアシストしますのでご安心ください。」

女性はちょっと微笑んだ。

「待て、オレに着いてくるのか?」

その言葉に渉は動揺した。まだこの世界から逃れられない感じがしたからだ。

「はい、渉さんだけでは心配ですし。何より渉さんができるだけ勃発的に起きる事件を解決しやすいようにサポートさせて頂きたいのです。」

女性は頭を下げて言った。それを見た渉は断れずにいた。

「まぁ、イイケド。」

ボソッと言った。

「それでは、行きましょう。」

女性はそっと目を閉じた。渉は「ちょっと待て」と言おうとしたが、それより早く渉の周りが暗闇に包まれた。

しかしそれは長くは続かなかった。

また声がしたのだ。それはさっきの女性の声ではなく、もっと若い女性の声だった。

「わーたーる、わーたーるー。何寝てんの?起きて。」

渉は寝ていたのだった。