「オレは何をすればいいんだ?」

これ以上深く聞いても理解するどころかますます迷宮入りしそうになったので渉は問いかけを再開した。

「渉さんは、渉さんの現代に戻っていただいてそこで起きる事件を阻止して欲しいのです。私も出来るだけご協力はさせていただきます。」

女性は少し力無さそうに渉に言った。

「いや、でもオレはまだ高校生だし。オレが出来ることなんてたかが知れてるだろ?それよりもっと強い奴とか権力をもっている奴の方が良いんじゃないか?」

渉も自分の無力さをアピールしていた。

「違います。」

女性はキッパリと言い放った。

「渉さんでないと出来ないのです。私たちが解決できない問題はすべて渉さんの身の回りに起こる計算になっているのです。そしてそれは渉さんにしか解決できないのです。」

「オレがやるしかないのか?」

渉は完全に押されていた。もうほぼ諦めかけていた。

「まぁ、なんとかやってみるけど正直、成功させる自信は全くないぞ。」

「ダメです。絶対に成功させてください。私たちのこの世が無くなってしまうのですから。」

また女性は強い口調になった。