女子高生2人組みに振り回され、散々な渉と蓮は三階にいた。女子高生2人組みは、やはりほとんど男子高生二人の意見を聞かずに、自分たちだけでショッピングを楽しんでいた。
たまに服を持ってきて「これ似会う？」と聞いて、男子群の曖昧な答えを聞くくらいだった。

「ちょっと、トイレ行ってくる。」

蓮がそれに飽きたようにこの場を去ろうとした。

「え、オレひとりかよ。」

渉が言う。
さすがに女2人に男1人というのは、渉からしてみれば、なかなか嫌なものである。

「すぐに戻ってくるから。」

蓮は渉を慰めるように言った。

「早くしてくれよ。愛梨だけだったらまだしも初対面がいるんだから気まず過ぎるよ。」

渉はまだ安心しきれない様子だ。

「すぐだって言ってるだろ。」

蓮はひとこと言うとそそくさと行ってしまった。

それを見計らったかのように愛梨と希美が渉のところにやって来た。