黙ってあたしを抱きしめていた木崎くんが、口を開く。
「でも俺、萩野達とプール行って良かった・・・」
その言葉に、木崎くんからあたしを引き離そうとするいっくん。
「お前、何言ってんだよ!詩音の気持ち考えろよ!」
そう言ういっくんの言葉はまるで聞こえてないかのように、木崎くんは続けた。
「だって、詩音ちゃんが俺のこと好きだってわかったから・・・初めて言ってくれたからさ、好きだって・・・」
「木崎くん・・・」
「俺、いつ詩音ちゃんに振られるかって、心配だったんだ。デート誘っても断られるしさ・・・」
あたしを抱きしめる腕に力が入る・・・
「詩音ちゃん・・・好きだよ・・・俺、詩音ちゃんだけだから・・・」
木崎くんの言葉に涙が止まらないあたし・・・声も出なくて、木崎くんの腕の中で頷くことしか出来なかった・・・