ふいに藤島くんがあたしを手放した。
急に藤島くんの体温を感じられなくなって、あたしは寂しくて仕方がない。

そして藤島くんは、椅子の背にかけてあったジャケットのポケットをゴソゴソして、何かを取り出した。
藤島くんの手には、何か小さな箱。
その箱を藤島くんが開けると、中には小さなハートをあしらったピンクゴールドのリングがあった。

藤島くんは、そのリングを持つと、あたしの左手を手に取り・・・
薬指にリングをはめた。