あたしを抱きしめる藤島くんの腕の力が弱まる。

「詩音・・・」

呟くようにそう名前を呼ばれて顔を上げようとした。
でもあたしが顔を上げる前に唇に感じた藤島くんの温度。

藤島くんの唇は、微かに震えていた。