いっくんと2人、藤島くんの部屋へ行く。

「あ・・・」

ほとんど物がないその部屋は、藤島くんが本当にアメリカに行くことを実感させた。
黙って部屋を見渡すあたしに、いっくんが
「詩音、ちゃんと話すんだ。詩音の気持ち、ちゃんと全部藤島に・・・」
と言った。

「うん・・・」


しばらくしてコーヒーを持った藤島くんが入ってきた。

「俺、見たいテレビあるから、リビングで飲むわ。」

と言ったいっくんは、コーヒーをひとつ持って下に降りて行った。