「つか槐って、家こっちなの?」



ブラブラと歩きながら帰っているあたしたち



その足はあたしの家へと向いている




「紫音もこっち?」



そう答える槐


てことは槐とあたしの家は近いのかもしれない




Y字の道に差し掛かった時に、


「俺こっちだわ」



と、右を指しながら槐は言った



あたしの足は左を向いている


つまり、あたしの家は左側



槐は右側





「んじゃここで」



そう言ってあたしは手を上げながら左を向いた




「おう、また明日ー」


その言葉を背中で受けながら、槐の歩きだす音を聞いていた