「しおーん」



数歩歩いてもう少しで校門だと言うところで、小さな槐の声が聞こえてきた



「何?」


なんとなく槐に合わせて小さく答えると、槐はチラリとさっきの女の方を見た



「………」



少しさっきよりも下を向いて、槐は言葉を躊躇っているように見えた






「なに…?」





もう一度尋ねるが、瞳をさ迷わしている槐はなかなか答えようとしない




そうこうしているうちにあたしたちは校門から出た