「うるせ~女。」



えっ? 誰?



誰もいないと思っていた暗闇から誰か出てきた。



「あの時もうるさくガミガミ怒ってたけど、また怒ってんだな~。」



「あっ!あんた…!」



「よっ♪オタクちゃん」




『オタクちゃん』?!  って何よ! もう絶対顔も見たくないやつに何でまた会っちゃうわけー。
最悪だ…。神様~私何か悪いことしましたか?



「ねぇーオタクちゃん、何そんなしかめっ面してるの?」



ムカッ!!



「あのねーオタクちゃんオタクちゃんって私には『水森あらし』って名前が
ちゃんとあるの!それにあんた何気安く私に話しかけてるわけ?
知り合いでもないのに(怒)」



「ぷはははー。相変わらず言うね~。今息つぎしてなかったよ。
あらしって名前男みたいだな。お前によくお似合いだな」



ムカムカッ!!! 人が気にしてることを~!

あったまきた!!!




「何であんたにそんな事言われなきゃなんないのよ。一体あんた何様!?
それにね~人に文句言う前に名前ぐらい名乗りなさいよ!
どういう育てられ方してるわけ?!親の顔が見てみたいわっ!」



「木下簾治(きのしたれんじ)。親はいない。」


えっ? いない? もしかして私変なこと言っちゃったかな。。。。


「ごめん…。いないなんて思わなくて…。ほんとごめん。」