言葉が出ない…。


「ちょっと時間いいか?」

簾治が真剣な顔で言う


「…うん。」



― バタンッ ―


「どうぞ、入って。」



まさか、またこの部屋に簾治がくるとは夢にも思わなかった。
こんな状況なのに、喜んでる自分がいて…。

やっぱり簾治が大好きなんだと思い知らされる…。


「わりぃーな。突然。」

「ううん。…あの、、この間はごめんなさい。」


私は頭を下げた。


「頭あげろよ。謝んのは俺の方だ。ごめんな。怒鳴ったりして。ほんとごめん。」

簾治も頭を下げた。

何で簾治が謝んのよ。私が悪いのに。


「簾治、やめてよ。私が余計な事言ったんだから。簾治は悪くないんだから。顔あげてよ。」


簾治はゆっくり頭をあげる。

そして、私をまっすぐに見つめた。


私から目をそらさずにゆっくりと話し始めた。