モヤモヤしたまま1人歩いてると、前にチビが走ってた。
そしてそいつはそこで......転けた。
「クッ...なんでこんなとこで。」
俺は小さく吐いた。
するとさっき転けたチビはいきなり泣き出した。
なんかそいつの顔を見るとほっとけなくて、つい手を差し伸べてしまった。
俺を見た瞬間そいつの涙は止まって、笑顔に変わった。
かわいーなと思い頭をなでてやったらそいつは益々笑った。
「お兄ちゃん、ありがとう。」
チビがほっとけなくて家まで送ってやることにした。
「お兄ちゃんは高校生?」
チビが聞いてきたから、そうだよ。とだけ答えた。
「そうなんだぁー!僕のお姉ちゃんも高校生だよ!城輝高校」
誰かに似てるな、とは思った。
でも誰かは分からない。
「ここが僕の家。お兄ちゃんありがとう。」
こいつはさっきからお礼ばっか言う。
「わかったからもういいって。」
「お兄ちゃんお名前は?」
「橋本悠斗。おまえは?」
「こうた!田宮洸太!ついでに6歳!」
こうた...はちょっとませてるなと思った。