翌朝、予定通り朝一の電車に乗り込んだ僕らは目的の駅で降車し、それからまずコンビニエンスストアに寄ってこの辺りの地域マップを買った。
「弓華さん、だいじょうぶ?」
「……え? ん、なにが?」
「いや、なんかさっきから顔色悪いから」
起きてからここまでの彼女は、逢ってからいままでの中で一番明るかった。
京介さんにどんどん近付いていっているのだから当然といえば当然だ。
それは確かなのだけれど。
ただ、近付くにつれて彼女の顔色が悪くなっていくのが気になってしかたなかった。
それにときどき話しかけてもすぐには反応せずにぼお、っとしていることが多くなっている気もする。
「べつになんともないわよ。ぜんっぜん元気!」
そういってむん、っと力こぶをつくってみせる。
空元気には見えない。
やっぱり僕の思い過ごしなんだろうか。
「どうでもいいけど……通勤ラッシュの時間だから、あんまり目立つこと、しないでね」
見た目にかわいい女の子が仁王立ちして力こぶつくっている様に、街中でキリンでもみたような顔をして通り過ぎて行く人々。
「や、やだ!」
パッ、っと顔を赤らめて捲っていた袖をおろし、彼女は逃げるように歩き出した。
「なんだかなぁ……」
彼女のそういうところが……いや、やめよう。
「弓華さーん! そっち逆方向だよー!」
「弓華さん、だいじょうぶ?」
「……え? ん、なにが?」
「いや、なんかさっきから顔色悪いから」
起きてからここまでの彼女は、逢ってからいままでの中で一番明るかった。
京介さんにどんどん近付いていっているのだから当然といえば当然だ。
それは確かなのだけれど。
ただ、近付くにつれて彼女の顔色が悪くなっていくのが気になってしかたなかった。
それにときどき話しかけてもすぐには反応せずにぼお、っとしていることが多くなっている気もする。
「べつになんともないわよ。ぜんっぜん元気!」
そういってむん、っと力こぶをつくってみせる。
空元気には見えない。
やっぱり僕の思い過ごしなんだろうか。
「どうでもいいけど……通勤ラッシュの時間だから、あんまり目立つこと、しないでね」
見た目にかわいい女の子が仁王立ちして力こぶつくっている様に、街中でキリンでもみたような顔をして通り過ぎて行く人々。
「や、やだ!」
パッ、っと顔を赤らめて捲っていた袖をおろし、彼女は逃げるように歩き出した。
「なんだかなぁ……」
彼女のそういうところが……いや、やめよう。
「弓華さーん! そっち逆方向だよー!」