「それは一大イベントです!

ぜひとも祝ってさしあげましょう!」

カネさんが胸を張って言った。

「でも…」

「旦那様なら、このカネにお任せください。

まあ、お仕事だとは思いますけどね」

心配はあっさりと終わった。

「誕生日か…」

律人は、プレゼントは私でいいって言ってたけど。

もっと……何かねえ。

それにしても、誰かの誕生日を祝うなんていつぶりだろうか?

夫はいつも仕事で、誕生日も結婚記念日も祝わなかった。