九條「俺ね、美知瑠ちゃんに惚れちゃったの。」
佐々木「そっかそっか………て、いやいや。本気?九條くんて、そんなドMな人だったっけ…?」
リアクションのでかい佐々木に対し
九條「アハ。まぁね。そんなとこかな〜。彼女を見てると、なんか飽きないんだ。」
九條はのんびりと構えている。
正確なことをいえば
九條は美知瑠に「惚れた」わけではなかった。
ただ、ころころとキャラの変わる美知瑠に、深い興味がある。
"もっと知りたい"
"もっと近くにいたい"
"もっと親しくなりたい"
この三日ほどで
篤志にはこうゆう気持ちが強く働くようになったのだ。
これが"好き"ということなのかどうかは、未だよく分からない。
でもとりあえず、もう暫くは美知瑠と居ようと決めた…。
美知瑠「お茶が入りましたよ〜♪…ん?お二人とも、ガン見しないで下さいよ。顔になんか付いてます?てか、何の話してたんですか?」
こんな話をしていた後だ。
お茶を運んできた美知瑠のことを、思わず意識してしまう二人…。
九條「俺が美知瑠ちゃんとここで暮らすって決めた理由。話してたんだ。」
美知瑠「そっかぁ。悪い理由じゃないといいけど。」
美知瑠が茶化す。
九條「んなわけないでしょ?だいたい、美知瑠ちゃんと暮らしたいって言ったのは俺なんだからさ。」
美知瑠「あ〜そっか。そうだったよね。ごめんごめん。」
笑いながら話す二人を見ていると、なんだか 幸せな夫婦を見ているような感覚に陥る…。
運命というのは不思議なものだ。
殺そうとした女と、殺されかけた男が恋に落ちる
なんてことを、
誰が予想出来ただろう…。
人生とは、全てが筋書き通りにはならない仕組みらしい…。
山あり谷あり。
そうやって人は進んでいくもんだ。
暗い中でも、転機は必ず転がっている。
チャンスは掴むからこそ意味を成す。
灯台もと暗らし。
要は気づくかどうかが鍵なのだ。
〜仰ぎ見て 闇に光るは 夜の月〜
美知瑠と篤志は幸せそうだ。