池堀「だったら…だったら、皆で探してみない?」
今まで黙っていた池堀が、急にぶっ飛んだことを言い出した。
佐々木「…それって、さすがに難しくないですか?」
佐々木の意見に頷くみんな。
池堀「難しいかもしれないけどさ… 手掛かりを探して、やってみる価値はあるんじゃないかなって。俺が言うのも変かもだけど。」
「……てかお前、あん時どこいたよ?お前だけいなかったよな?怪しくないか?」
若干キレ気味のメンバーが不機嫌そうに尋ねる。
池堀「ちょ…ッ!! 待って。そこは疑わないでよ。俺だって理由があるんだ。その…嘘くさいかもしれないけどさ、俺、音響部屋で知らない奴に襲われて。車に乗せられたんだよ。で、帰って来て…そこまでは覚えてるけど、あとはもう、目が覚めたら自分の部屋だったんだ。」
佐々木「…マジ?」
唖然とするメンバー達。
「翔太、正気かよ?寝ぼけてたとかじゃねぇよな?」
「でも とりあえず、ルルちゃんと組んでたんじゃないかっていう疑いは晴れたんじゃね?」
「まぁ…それはそうだが。」
皆、一応は信用してくれたらしい。
ひとまず胸を撫で下ろす池堀。
佐々木「さぁ…でも、ほんとに探すか? てか警察には電話した奴はいねぇのか?ありゃ完全なる事件だろ?」
と 安心したのもつかの間。また新たな話題だ。
八木「あ、それなら 俺がさっき電話しました!!」
池堀の前に音響室から消えていた八木相馬も、怪しいことは怪しいのだが
皆と同様、一緒に殴られているのを何人も目撃しているため
彼にいいがかりをつける者はいないようだ。
佐々木「電話してどれくらい経ってる?」
八木「そうっすね〜。だいたい…30分くらいですかね。」
「はぁッ!??」
皆が驚いた顔をする。
八木の言う通りなら、
距離的に考え、警察は遅くとも、10分ほど前には着いていなくてはならないのだ。
佐々木「お前、本当に電話したんだろうな?」
八木「はい。しましたよ。でも…。」
佐々木「でも どうした?」